君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】


「ありがとうって言いたかったんだ」

「ありがとう?」

「うん。藤さんは優しいから僕の事心配してくれたんでしょ?でも色々考えちゃったんだ」

「色々……って?」

「えと、そうだな――――」


そこまで言ったけど里緒が後ろから自転車を押してやって来たから、この話は強制的にストップされた。



「お待たせー」

「そんな待ってないよ」

「そお?じゃあ行こうか!……どうしたの?瑠美子」


里緒と槙野くんが話している間、ずっと黙っていた私を里緒が心配している。
ハッとして我に返った私は誤魔化す様に明るく笑った。



「いや、何でもないよ。そうだ、槙野くんが家で一緒にテスト勉強しようかって」

「えっ、勉強?うっそ、メンドクサイ」


くしゃって顔を歪めて嫌そうに言った里緒。


「赤字取っても知らないんだからね」

「うっ、それは勘弁」

「じゃあ、勉強しよう」

「ハイ、します」


観念したらしく里緒は片手でお手上げポーズをした。


槙野くんのナビの元、家まで到着した私と里緒の第一声は。


「大きい……」


だった。