片づけをして自分の席に戻ろうとした時、槙野くんに呼び止められた。
「あ、藤さん」
「ん?」
振り返った私は槙野くんの言葉を待つけど、彼は中々口を開こうとしない。
どうしたのだろうか。
「何かあった?」
堪らずそう口にすると、彼は小さく首を振った。
「えっと、ううん。ごめん。何でもない。後でね」
「わかった」
なんだろう?
頭の中をクエスチョンマークがいくつも飛んでいる。
いつもの彼ならちゃんと言うのに。
可愛いとか好きとか、そんな事は普通に言うのに。
何があるんだろう。
自分の席に戻った私は、午後の授業中もさっき呼び止められた理由を考えてみた。
だけど、さっぱりわからなかった。
別に放課後聞けばいいか。



