君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】


【今日の放課後、空いてるかな。
テスト前だし一緒に図書館でも行かない?】


なんてことない内容。
でも、お誘いのメールな事には違いない。


槙野くんと図書館?行きたい。
だけど、緊張して顔を見ること出来ないと思う。


……でも、行きたい。


私は【行く!】と打ちこむと送信した。


トイレから戻った後も、教室に入ってすぐに槙野くんがいたのに見る事が出来なかった。
顔を背けながら瑠美子の元へと駆け寄る。



「あれ?朝から槙野と話してなくね?」


里緒が購買で買った焼きそばパンを頬張りながら尋ねる。
それに私はギクっとした。


何、鋭いんだけど。
里緒ってこんな鋭かったっけ?


おにぎりを齧っていた私は、お茶でそれを一気に流し込む。
口内が空になってやっと口を開いた。