「でも、なんか凄い二人雰囲気良かったんだよね」
「そうかな」
「だって、瑠美子ってあんま男子と喋らないじゃん?」
「ん~積極的に話しかけないだけだよ」
話しかけられれば話すし、男子が嫌いなわけでも苦手なわけでもない。
多少緊張はするけれど。
ってなったら、苦手なのかな?
「でも、槙野ならいいと思うな」
「え?」
「他の男子と違って誠実そうだし」
そうやって言ってニカっと笑った里緒。
それと同時にチャイムが鳴って、里緒は「また後でね」とだけ残して前を向いた。
私も授業の準備をしながらぼんやりと考えた。
誠実そう、か。
確かに槙野くんなら付き合ったとしても優しそう。
私がドジしても全て笑って許してくれそうな感じがする。
……なんか、私本当にずっと槙野くんの事考えているや。
まだ付き合ってもいないのに。
……ん?まだ?
まだ付き合っていないって。私、これから付き合うつもりなの?
てか、さっき里緒に聞かれた時も思わなかったっけ?
なにこれ。これじゃ私、槙野くんと付き合ってもいいみたいじゃん。
私は槙野くんが好きなの?
わかっていないのに。



