君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】



槙野くん。


登録された名前と、メアドを見ていた私の頬が緩む。
別に初めて男の子と連絡を取り合ったわけじゃないのに。


なのに、どうしよう。嬉しい。


何度もメールを読み返す。
なんてことない他愛ないメールなのになあ。


と、思っているとケイタイが震えた。
メールを受信したようで受信のところに数字で一とついている。


もしかして、槙野くんから返事?


【さすがにメールの送り方ぐらいわかるよ(笑)
打つのは遅いけどね。】


その返信を見て、私はふふっと笑った。
槙野くんがあたふたしながら文字を打っている姿が想像つく。


【そうなんだ(笑)これからご飯なんだ♪槙野くんはもう食べた?】

【食べたよ。食べ終わったら少しだけ電話できる?】


電話?大分ドキドキが収まってきていたのに、またドキドキして来たじゃん。


【大丈夫だよ!てか、今平気。番号はね、090……】


そうやって返信を打つと、暫くして知らない番号から電話がかかって来た。
緊張しながら、通話ボタンを押して耳に近付ける。