「ねえ、槙野くん」
「何?」
私が話を切り出すと、彼は少し首を傾げる。
そんな彼を見ながら話をした。
「私ね、きっと人気な人が好きなわけじゃないと思うんだ」
「…………」
今まで笑顔だった槙野くんの顔が、固まる。
だけど、私は構わずに続けた。
「だって、もうそういう人っているでしょ?」
「……うん」
暗い声を出した槙野くんは静かに頷く。
「それなら、人気な男子を好きになってると思うんだ。
でも、私好きだなって思ったことない」
「…………」
槙野くんの返事はない。
俯いたまま、私の話を聞いている。
「槙野くんが私の為に変わろうとしてくれてるのは、今朝の挨拶で凄くわかった。
本気なんだな、とも思った。でもさ、無理してない?」
「無理なんてしてないよ」
私が尋ねると、間髪入れずに答えた槙野くん。
顔を上げ私を見つめるその瞳は、真剣だ。



