君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】



紗奈さんになんて言われるかを想像したら、ドキドキが落ち着いて来た気がする。
けど、その代わりに嫌な気持ちでいっぱいになった。


勉強なんて面白くもなんともないけど、紗奈さんにチクチク言われたくなくて勉強していた。


《ちーちゃんと違って、貴方は三流の大学に入るんでしょうね》


笑顔でそう言われた時、絶対にいい大学に入ってやるって思ったんだ。
部活と勉強を両立してやるって。


だから、結構成績はいい方だと思う。
テストは学年で五十位前後をうろうろ。


それ以上が取りたいわけじゃない。
今の順位より下を取りたくないだけ。


何も知らないお父さんは私の成績がグンっと上がったのを見て、素直に喜んでいた。


それまでは百五十位前後とかだったから。
赤点取る事もあったし。


今朝の里緒の話は決して他人事じゃなかった。