君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】




休み時間になった私は槙野くんの席へと近付く。
それから手紙をぽいっと投げた。さっきの授業中書いたモノだ。


いきなり私が休み時間に彼を呼び出したら、周りが不思議に思う筈。
今まで話していなかったのに。


変に注目されるのは嫌だった。


だから、手紙を書いた。
【昼休み、体育館裏に来て欲しい。るみこ】


その手紙に槙野くんは目をぱちぱちと瞬かせる。
すぐにバッと私の方を見た。

私はアイコンタクトすると、そのまま教室を出てトイレへと向かう。

心臓がバクバクする。
他の人にバレたかな。大丈夫かな。


トイレに入ると、私は鏡の前ではあっと息をつく。
何度か深呼吸を繰り返すとどうにか気持ちが落ち着いて来た。


槙野くんと仲良しなら休み時間に呼び出す事も容易なのに。
そうだ、槙野くんケイタイ持ってないのかな?


持っているならもっと簡単に連絡取れるじゃん。
昼休み、聞いてみよっと。