“あの人、何かを私に隠しているのよ。
時折、とても苦しそうな顔をするの。
でもね、私と一緒にいる時は笑顔を見せて心配かけない様にしているの”
“だから、私も聞かない。私の事、大切にしてくれているのわかってるから。
幸せだから。理人と、あの人と三人で過ごせる事が私には幸せだから”
私は怜子さんに誓ったんだ。大事にするって。
後ろめたさを感じて私と付き合ってもらいたくない。
槙野くんは少しだけ目を見開いた後に、ふって笑った。
「ないよ。藤さんに好きになってもらう為なら何でもするから」
「……わかんないじゃん」
「うーん、そうだな。もしも、藤さんが僕を好きになってくれなくたっていいよ。
僕は藤さんを好きでいるから」
「何それ」
「僕には藤さん以外、見えないんだから」
「わかんないじゃん。これから素敵な人に出会うかもしれないでしょ?」
「ううん。これ程の衝撃を与える人なんていないよ。
僕に自信を持たせてくれて、僕を変えてくれて、もう一度好きって言わせようと思えた人は」



