君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】


「やった~!じゃあ、私槙野のお弁当」

「里緒ってじゃんけん強かったんだ。忘れてた」

「そうだったの?じゃあ僕はおにぎりだね。僕がパンだと藤さん変わらないし」

「うん。今日の具は秘密ね」

「食べるまでのお楽しみだね。はい、長田さん」


自分のお弁当を里緒に差し出す槙野くん。里緒はそれを受け取って歓喜している。
お弁当を開けて「すげえ」しか口にしていない。


確かに、槙野くんのお弁当は凄いと思った。
カラフルだし、栄養も考えられているんだろうなって。


昨日会った槙野くんのお母さんを思い出す。
料理得意そうだもんなあ。



「槙野のお母さんってめっちゃ綺麗だよね」

「そうかな。僕はわからないや」


里緒はそう言ってから厚焼き卵を口に頬張る。いちいち感動していた。


「私も思った。凄く優しそうだったし」


同意するように私も言うと、槙野くんは少しだけ照れたように笑った。