今日溜息をつくのは何度目か。そう思いながらお目当ての靴箱の鍵をポケットにねじ込み、教室を出る。
隣の教室の前に差し掛かると、案の定威勢の良い女の声が聞こえてきた。
こういうとき、正義感マックスおせっかい辻崎なら何の躊躇もなく飛び込んでいくんだろう。
あーやだやだ。そう思いながら早々と教室の前を過ぎ去ろうとしたとき。
「西宮さん、あんた橋本先輩にまで告白されたんだってね?」
タイムリーにも今日話題になっていた人物の名前が耳に入り、反射的に教室の中へ目を移す。
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