呼吸をとめたピエロ


「やられたらやり返せよ。何で黙ってるんだ」

「急に何の話?」

「お前が転入してきていろいろ受けてる被害の話」

ああ、と。西宮はどうでも良さげに目を細める。


「おまえ、何もしてないんだろ? 何で……」

「何もしてないから、や」

「は……」

「何もしてないから、何もやらんのや」


堂々とそう言い切った彼女に目眩がする。
思いっきり線を引かれたような気がして、続く言葉も続かない。


「言いたい奴には言わせとけばええんよ。
痛くも痒くもないし、後で惨めなのはあっちや」

「……こわ」

「ちょっと、どういうこと」

キッと目を細めた西宮に、思わず噴き出す。
そんな俺を見て次は目をまん丸にするのがまた愉快で。