呼吸をとめたピエロ



「ああ、わかったわ。
鶴長くん、呼吸してないんやわ」

美しく弧を描いた彼女の唇に、眉をひそめる。


「呼吸、してない?」

「うん。呼吸してないのに、息苦しいって顔」

「……意味わかんね」


この女何言ってんだ。正直そう思った。
そして感じたわずかな息苦しさを見て見ぬ振りする。


「西宮さ、おまえもっと言い返せよ」

何の話?と言いたげな表情。
そういう何も気にしていないような顔。

なんだか、無性に掻き乱したくなる。