呼吸をとめたピエロ


授業中の静かな廊下に二人分の足音が響く。

思えば授業中なんだから廊下に生徒がいるわけでもないし、イタズラされることなんてそうそうないではないか。


「鶴長くんは何で保健室におったん?」

唐突な疑問に心臓が跳ねる。
振り返ると、先生の目より底が見えない目。


「……ちょっと、寝てただけ」

「体調悪かった? 無理に連れ出してごめん」

「いや、大丈夫。むしろありがとう」


どういうこと?と言いたげな西宮。

推奨されるようなことをしていたわけではない。
なんとなく後ろめたくて、振り払うように前を向く。


「……鶴長くんって、不思議やわ」

「へぇ」

「なんやろ、うーん……」

考え込むような西宮を一瞥する。