呼吸をとめたピエロ


「こら!手出して!ちゃちゃっと手当てするから」

「……すいません」


真っ白な手にパッと咲く赤い切り傷。
腕まで伝うその赤がどうしようもなく痛々しい。


「昨日の奴らか?」

「それはわからん、けど。これは私の不注意。
ありがちなイタズラに気付かんかったからや」


綺麗に切れた傷口はおそらく刃物によるものだろう。
持ち物に刃物が仕込まれていたとか、そういう。


「……西宮、おまえ」

「鶴長くんがこんなに話しかけるなんて珍しいわね」


割って入ってきた先生がニヤリと微笑む。
その表情が妙に腹立たしく、目を逸らした。