呼吸をとめたピエロ


この学校の保健医ーー鷺原先生と出会ったのは、高校一年生の冬頃だ。


元々鷺原先生はここの正規保健医ではなく、正規の先生が産休で休んでいる間だけの臨時保健医。

その臨時保健医が来たということをいつもの如く知らなかった俺は、いつもの如くここで惰眠を貪っていたのだが。



「こら! 許可なくベッドを使用してはいけません」

シャッ!と盛大な音を立てて開けられた白いカーテンと、差し込んできた人工的な白い光に目を細める。

そこにいたのはいつもの恰幅のいい保健室の先生ではない。


「クラスと名前は?」

「……誰」

「クーラースーとーなーまーえ!」

思わず小さい舌打ちが溢れる。