「もう一回試す?」
「………いいよ」
先ほどの柔さと打って変わってねっとりと絡みつくような先生のキスは、決して嫌いではない。
頬に添えられた左手に感じる微かな金属の冷たさは、小さなダイヤが埋められたシルバーリングだ。だからと言って、別にどうということはない。
広く空いた胸元に手を沿わせると、先生は跳ね上がるようにベッドから起き上がった。
「まずい、退室中の札かけ忘れた」
「おい」
危ない危ない、なんてそんなこと露ほども思ってないような口振りでベッドから遠ざかって行った先生に、思わずため息をつく。
脱力するように腕を広げ、真っ白な天井を見上げた。
