「あんな感じって?」

「………」


先程までの状況をいちいち言葉にするのもどうかと思い、さらに居た堪れなくなり黙ったまま西宮から目を逸らす。



「鶴長くんが気にすることやないよ」


軽く突き放すような、そんな声色を湛えた言葉。


「それに、言われたんやない?
私とは関わらない方がええって」

「まあ」

「ふふ、そう言いたくなる気持ちもわかるわ」


目を細めてクスッと笑う。
窓から差す夕陽も相まって、西宮の表情はぞくりとするほどの妖艶さを醸し出していた。