「なぁ」 俺の声に、西宮はくるりと振り返る。 「いつもあんな感じなの?」 小さい顔に、大きな瞳。 細い肩にかかる黒く長い髪は、蜘蛛の糸のようだと思った。絡め取られたら、逃げられないような。 小さな口は先程のようには笑ってはおらず、キュッと結ばれている。 少し困ったように、じっとこちらを見つめる様子に何となく居た堪れなくなる。