仮面のように貼り付けた笑顔に少々の畏怖を覚える。 「……いや、何もしてないけど」 「んーん、そんなことないよ」 西宮は、スカートに付いた汚れを軽く払い、飄々として倒れた机を並べ直していく。 なんだかとんでもないものを見てしまった気がする。 もちろん苦しんだ少女の表情を見たかったわけではない。ただ、あのような状況で笑っていられる彼女に少し驚いただけだ。