あー、うん、なんというか。


「……大丈夫?」


いや、大丈夫なわけないだろ。

こんな時に気の利いた言葉が思いつかない自分に嫌気が差すが、こんな場に居合わせることなんて早々ないからしょうがない。


西宮は顔にかかった長い髪をかきあげ、こちらに目を向けた。


「っ、」


可愛いとか可愛くないとか、そういう前に。


「つるながくん、やっけ? ありがとうね」


笑っている。