一体何が違うというのか。
ここでもまた呆れにも似た溜息が溢れる。

皆それにさえも肩を震わせた。


「とりあえず、もう帰ったら?」


その一言で、驚くほど一瞬に教室は静かになった。

女達は近くにあった鞄を掴み、皆一様に俺と少女を残してバタバタと教室を出て行く。



………さて、どうしようか。

チラリと少女に視線を這わせる。


「西宮」と呼ばれていた。

女達が言っていた「橋本先輩に告白された」ということからも、この子が今日辻崎が話していた『西宮 琴』で間違いないだろう。