百禍の昇天を見届け、私はゆっくりと目を閉じる。

同時に私の中で『門』が閉じられていく。

禁呪の効果はここまで。

死の世界は再び現世と隔絶され、私達は御影城跡へと戻ってきた。

「ふぅっ…」

深い溜息をつく。

毎度の事ながら、禁呪は膨大な魔力を消費する。

これで当分は魔術の行使は…。

「ん?」

ふと修内太の方を見る。

「……何よ、その微笑は?」

「え?」

修内太が思わず自分の顔を両手で押さえた。

「笑ってるか?俺」

「ええ笑ってるわよ!何よその『いい仕事したなメグ』みたいな緩んだ頬は!」

何だか無性に腹が立って、私はガァーッとまくし立てた。

「別に私は百禍に自分と同じ境遇を感じて昇天させてやった訳じゃないからね!ただ後腐れのないように、成仏してもらった方がいいと思って…」

「おー」

感心したように修内太が手を叩いた。

「そこまで考えてたのか。流石メグ」

「~~~~~~っっっっ!!!!」

あーもうコイツは腹立つったら!

「いいから終了終了!もう帰るわよっ!」

私は大声で怒鳴った。