私と修内太は顔を見合わせる。
魔術としては基礎中の基礎、大した威力もない火矢の魔術に、百禍ほどの悪霊が何故…?
少し考えを巡らせて、私は思い当たった。
…悪霊とはいえ、彼女にも生前の記憶というものがある。
とりわけ死の寸前の記憶というのは鮮烈に残っている筈だ。
攻め込んでくる大国、逃げまどう人々、燃え落ちる御影城。
その城に炎を放ったのは紛れもなく。
「そうか、火矢!」
修内太が叫んだ。
桃香姫自身も、燃え盛る天守閣で命を落としたと聞いている。
そのきっかけとなった火矢には並々ならぬ恐怖を感じている筈だ。
「修内太」
「ああ」
私の呼びかけで、彼は呪眼に魔力を注ぎ込む。
「過去の傷をえぐるみたいで気が引けるけど…勘弁な!」
修内太が半身の姿勢で右手から次々と『火矢』の魔術を放つ!
その炎に。
「ヒッ…ヒィィイィィイィッ…!」
あれ程の憎悪を撒き散らして私達を追い込んでいた百禍が、急にその勢いを弱め始めた。
魔術としては基礎中の基礎、大した威力もない火矢の魔術に、百禍ほどの悪霊が何故…?
少し考えを巡らせて、私は思い当たった。
…悪霊とはいえ、彼女にも生前の記憶というものがある。
とりわけ死の寸前の記憶というのは鮮烈に残っている筈だ。
攻め込んでくる大国、逃げまどう人々、燃え落ちる御影城。
その城に炎を放ったのは紛れもなく。
「そうか、火矢!」
修内太が叫んだ。
桃香姫自身も、燃え盛る天守閣で命を落としたと聞いている。
そのきっかけとなった火矢には並々ならぬ恐怖を感じている筈だ。
「修内太」
「ああ」
私の呼びかけで、彼は呪眼に魔力を注ぎ込む。
「過去の傷をえぐるみたいで気が引けるけど…勘弁な!」
修内太が半身の姿勢で右手から次々と『火矢』の魔術を放つ!
その炎に。
「ヒッ…ヒィィイィィイィッ…!」
あれ程の憎悪を撒き散らして私達を追い込んでいた百禍が、急にその勢いを弱め始めた。


