「はっ?!付き合ってなかったの?!」
「あ…うん。」
月日はどんどん流れて、高2の春。
私はこの1年で校内のちょっとした有名人になっていた。
それはもちろん、
彼の支えで出来る作品が、次々と入選するから。
「でも何で…お互い好きなんだよね?」
「うん。でも雪人くんと約束したの。」
「…約束?」
「『雪人くんがアドバイスをひとつもしない絵を描けたら付き合う』っていう約束。」
その約束は、まだ果たされていなくて…
『色に統一を持たせろ。』
「げっ、また来たよぉ…」
相変わらず、雪人くんからのアドバイスで
私の絵は成長を続ける。
唯一、変わったことは…
「お疲れ様。」
「…また誰かさんにダメ出しされちゃった」
「へぇー…かなりソイツ、ドSだな。」
大好きな人が隣にいる、帰り道。
「早く俺を黙らせるような絵を描けよ。
我慢する身にもなってほしいね。」
そう言って、悪戯に微笑む雪人くんに
「なっ、馬鹿…ッ!」
私は今日も夢中なんだ。
もしかしたら、
約束が果たされる日はそう遠くない…かも?
FIN*
あとがき→