―――3ヶ月後



「おめでとう白楽ちゃん!!
大賞なんて、先生鼻が高いわ~ッ!!」

「せんせ…っ、くるし…っ」


興奮状態のミーちゃんにはがいじめにされながら、
私はやっぱり彼のことを考えた。


突然の告白をされてから今日まで、
私は彼と1度も言葉を交わさなかった。


それに、アドバイスの手紙も来なくなって、

私がまた遅くまで居残りをしている時に見回りに来たのは彼じゃなかった。


彼のアドバイスのお陰で、
私が描いた絵はコンクールで大賞を受賞した。



『ありがとう』って伝えたい。

そして今度こそ質問に答えてもらうんだ…!


そう決意したのに、学校新聞の取材やら校長先生に報告やらと
時間はあっという間に過ぎ、

結局放課後になってしまった。


「なんなんだよもー…。」


部活が終わり、今日1番やりたかったことが出来なかったことにイライラしながら、
画材の片づけをする。

浮かれているヒマはなく、次のコンクールへの出品に向けて、
私は今日も1番最後まで残っていた。


外はもう薄暗く、廊下を見る限り誰もいない。



コンコン。


もう聴き慣れてしまった部室のドアを叩く音に駆け足で行き、ドアを開ける。



「……!!」