「んー…統一感があるのはイイけど、
もっといろんな色を使った方がイイかな。

…えーと…パステルカラーとか。」


「……はい。」



また…まただ。


手紙に書いてある『アドバイス』は
いつも顧問の先生がくれる『アドバイス』と全く同じ。


『全体的に暗い。下書きが台無し。
パステルカラー使え。』


だから私は、その『アドバイス』に従わざるおえない。


でもさ、
言い方?書き方?ってもんがあるでしょ?!

ミーちゃん(顧問)の方が何倍も優しいよ!




そんなイライラを抱えながら筆にピンクの油絵の具をのせた。


ホントにムカつくけど…
アドバイス通りにすると

みるみる良い方に絵が変わっていくんだよね。




完成まで、あと少し。




……うしっ!!


再び気合いを入れた私の姿を、
ドア越しに見守る人がいることに



私はまだ、気づいていない。