それでもボクはキミを想う



~仲間入り~




駐車場に戻り、小河さんの前に莉乃を連れていき、

『可愛ええやろ?
ボクの彼女で“莉乃”言うねん。
小河さん、これから仲良ぉしたってな?』

ボクの言葉が以外に思えたのか、少し口をポカーンと開けてから、

『しゃ…しゃあないなぁ…』

とボクから顔反らして返事して、莉乃んとこに話しかけてくれとった。

慎吾くんもやけど、少ぉし口は悪いけど、小河さんも面倒見はええ人や。

莉乃らが話しとる間に、ボクは慎吾くんから“久々に一緒にドリフトせぇへんか?”と話を持ちかけられた。

『今から響に会うから、その後でよかったら喜んでお供します。』

『おー、それはちょうど良かったわ!!
お前らのツインに、ちょっと俺も混ざって走るさかい、後で声かけてこいや。』

『ギャラリーで派手なん見せますの?(笑)
ええですよ。ほな、楽しみにしてます。』

まぁ、慎吾くんはまた何や企んどるんやろ。

莉乃を呼びに行くと小河さんが、“一ノ瀬、どぉせ今から走るんやろ。少しだけうちが預かったる”言うて、莉乃を返してくれんかった。
莉乃も小河さんの事を“まゆちゃん”なんて呼んで、楽しそうにしとったから、とりあえずボクは響と待ち合わせしとるギャラリーの駐車場へと移動した。