それでもボクはキミを想う


『ええやろ?莉乃に拒否権はないで。』

今まで“ 莉乃ちゃん”だったのが、“莉乃”って呼ばれてドキドキなのに、それにちょっと強引な言葉とぎゅっと後ろから抱きしめられたから、私の心臓は騒がしい。

すごくドキドキしながら、貴方の腕の中でコクりと頷くのがやっとだった。

初めて会ってから貴方の事は気になっていた。

貴方がモテる事も聞いてたし、何より彼女をつくらないのも響から聞いたこともあった。

だからたまに貴方に一緒に会えるだけでも嬉しくて、私が“好き”な気持ちを告白して会えなくなるほうが怖かった。

まして告白してくれるなんて思わなかったし、今更ながらほんとに私でいいのか、信じられない思いだった。

“ 仁って呼んでみ?”とか“莉乃は案外ちいさかってんなぁ”なんて言われながら仁に抱き締められいい雰囲気の中…

『ラブラブなとこ邪魔して悪いなぁ♪』

そう、ひょっこりと私の目の前に顔が現れた!!
私は仁の腕から慌てて離れ様としたけど、仁は私を余計にぎゅっとして、子供の様にプッと頬っぺたを膨らませながら、

『もぉ何や~慎吾くん…せっかくエエ雰囲気やったのに台無しや…』

“慎吾くんのいけず!!”なんて言ってるそんな仁が妙に可愛いくみえた。