それでもボクはキミを想う


『せっかくやから莉乃ちゃんに似合いそうなん見立ててやってほしいんやけど、頼めへんやろか?』

『勿論よ。』

と、桜子はキミに幾つか質問したら着物を選んで持ってきた。

『お待たせ~!幾つか見繕ったわよ。
ねぇ、これなんか莉乃、似合うんじゃない?』

色とりどりの美しい着物に囲まれながらキミと桜子は会話も弾み楽しそうに選らんどった。

そして着付けも終わり奥の部屋からキミが出てきたその姿に思わず口角が緩んだ。

『似合うかな?』

『やっぱり思うたとおりよぉ似合う。
せっかく京都の町を散歩するさかい、二人で着物着るんもええなぁ?』

『本当だね!
私なんか滅多に着る機会無いから嬉しい』

『これはレンタルだけど、今度はいい着物買ってもらいなさいね!』

桜子に、“莉乃の寸法図っといたから!”と耳打ちされ、“流石桜子、商売上手やな!!”とボクは笑うといた。