まだ時間あるのを確認して、待ち合わせ場所を通り過ぎた近くの自販機に停まった。

『 何か飲む?』

『あの…乗せてもらったお礼させて下さい。何がいいですか?』

お礼なんてええのに…

『じゃあキミがええ。』

なんて真顔で言うたら、真っ赤な困った顔して怯えたように黙ってしもた。
所々垣間見るキミの男慣れしてない姿が可愛く見えてボクは、キミの頭撫でながら、

『ウソ…ブラック頼むわ。』

言うた。

ビクッと一瞬しとったけど、“なに? ”って聞いたら、ちょっと安堵した笑顔をボクに向け、

『 ブラック買ってくる。』

言うて車から降りて行った。

ボクは車の窓開けて煙草を吸って待ってたら、しばらくしてブラックとミルクティーを買って、車にもどってきた。

キミからコーヒー貰うた時、さっき言ったボクの意地悪な一言でみせた困った顔を思いだし、ボクはなんや刹那なった…

『さっきは、おちょくってごめんな…』

『…大丈夫です…
私こそ、ここ乗せてもらってありがとうございます。』

女友達おるけど、彼女はおらんボク…
キミには彼氏おるんかな?
まだロクに会話もしてへん…
名前さえ聞いてない…
キミのこと何も知らん…

いつの間にかボクはキミの事が気になっていた…