外人墓地近くにきたら、案の定ボクらを待ち構えとる“改造車検問”をやっとった。

“ピピーッ!!”っと笛が鳴り、ポリさんが駆け寄ってきて、ボクの車は止められた。

『ハイその車止まってー!!
改造車やね、あの車の後ろに止めて、ジャッキアップして待っとれよ。』

列を見ればかなりの行列で改造車のオンパレード…

こん列の車でCAR SHOWできそうやなぁ…

ふーっ、かなり待たなあかんか…

『なぁ、今日、ここの夜景見に来てん。
ジャッキアップせなアカンかな?』

とりあえず免許証渡し、適当な理由言うてみた。

『んー、免許証見せて。
一ノ瀬仁さんね、京都からか…
まぁ、足まわりも遊んでなさそうやな?
マフラーもサイレンサーはいっとるし…』

そう言いながらポリさんは、キミを見とった。

心配そうにボクとポリさんのやり取り見とったキミは、ふいにポリさんに顔見られて半分固まりながら会釈しとった。

まぁ、普通ポリさんに関わるなんてそうないやろなぁ?

『前も詰まってるからこの状態やったら、数十分待つのもデート中の彼女も可哀想やなぁ…』

お巡りはんはボクに言いながらボクの車を周り、チェックしとった。

『一通り見たけど大丈夫みたいやな、行っていいぞ。
帰りも気をつけて、彼女もご苦労さん。』

『おおきに』

まぁ、検問対策はしとるから嘘はついてへん。
ただ一つ云うならば、キミが彼女とちゃうことだけ。
公道走るんやったらある程度覚悟しとかなあかんし、ボクは自分の店あるから印象を悪くしときたくないんや。

『 怖かったん?』

『何だか緊張しちゃって… 』

俯き加減で手をぎゅうと握り、心配そうなキミの横顔がボクの視界にはいった。

“もう、大丈夫や ”言うてドサクサに紛れてキミの握り拳の上にそっとボクの手を添えたら、一瞬キミは“ビクッ”としてたけど手は払われずにそのままで、顔は頬染めて誤魔化す様に暗がりの窓の外見てた。
そしてキミの横顔を改めて見た時に、ふと“彼氏おるんかな?”なんて軟派な事考えてた。

今まで意識してなかったのに、急に気になりはじめた。