俺が浅井と藤崎から離れて莉乃さんのところへ向かおうとスタートラインに並んでいると下りの方から来た一台の車が、

『ポリが上がって来たぞー!!』

と大声で教えて来た。

『やべぇな!莉乃さん、探さないと!!』

窓から顔だして、後ろから来てた浅井に、

『ギャラリー着いたら俺が莉乃さん探して連れてくから、お前、車で待機しとけよ!莉乃さん助手席に乗ったら先に走れ!
最悪、俺がケツ持ちするからよ!!』

『了解っすよ!先輩!!』

こんな時も俺と浅井の連繋プレーはバッチリだ。

浅井に探させて俺の助手席に乗せたい所だが、そんなこと言ってる場合ではない。

残念だが、今回はアイツにオイシイトコを譲ってやるか…

そう思いながらギャラリーの駐車場に着いて、車から飛び降りて、人と車が行き交う中、急いで莉乃さんを探したが中々見つからない…

『チッ、こんな事なら先に番号(携帯)聞いとくんだったな』

そう呟きながら探していた時に、

“♪♪♪♪♪♪~”

俺の携帯が鳴った。

『すいません久須本さん、藤崎です。
姉貴、見つかりました。外人墓地から二つ目の駐車場で待ち合わせしました。
僕、今、向かってますので、ほんと迷惑をかけてしまい申し訳ないです。』

『ああっ、わかったぜ藤崎、じゃあ俺もそちらへ行く。後でな!』

莉乃さんと仲良くなるせっかくのチャンスがぁぁぁぁぁ…藤崎…ギャラリーにいた仲間に連絡したのか?

誰に頼んだんだ!?

なんて思いながら、ホッとした様な、残念な様な気持ちで浅井の所に戻り、俺達も向かった。