それでもボクはキミを想う


響が走りに行き、私は1人で見ていたが、だんだんギャラリーに人も増え、窮屈になってきたので、響が戻ってくると言っていた駐車場で待つことにした。

暗い小道を抜け、駐車場に着き、初めて見る色んな車を興味深くそっと見て通り過ぎていくと、さっきのセフィーロが止まっていた。

私はそーっと近付き、その車の前で足を止めて見ていた。

『これ…響が言ってたさっきの…
スポーツカーっぽくないとこが似てる以外、やっぱり響の車と全然違うなぁ…』

そんなコトを考えてると、

『キミ…ボクの車に何か用あるん?』

私はその車の持ち主であろう声聞き、“ビクッ”として恐る恐る振り向いた。





そう…
これが仁と私が初めて出逢った瞬間だった。