僕がヴィーナスブリッジの駐車場に下りていくと、浅井くんと久須本さんが休憩しながら話していた。
『ヨォ響、姉貴はどおしたんだよ?』
『僕も走りたいんで、ちょっと1人でギャラリーで見てもらってる。』
『藤崎、お前何考えてんだぁ!!
あんなかわいいお姉さん置いてきぼりして!
危ないじゃないか!!
仕方ない、俺が一緒にいてやるよ!』
口実作り、久須本さんはそそくさと行ってしまった。
『ったくっ、今、大会について話してたのに、先輩、女のコトになったらすっ飛んで行っちまうし。
まぁ、俺も莉乃姉と話したいし、行ってくっか!』
まぁ、子供じゃないから心配ないと思いつつ、浅井と久須本さんが姉貴のトコへ行ってくれたのはほっとした。
さぁ、これで心置きなく走れる。
姉貴のことを二人に託して僕も走りに行った。

