ある日、驚かしたろ思て、奥田さんの学校の近くに迎えに行きよったら、前の方で、一台の見たことある黒いクライスラーの300Cが、学校の校門の近くで止まっとって、奥田さん乗せて行ってもた。
ボクの車がわからんように距離をとり、その黒いクライスラー300Cの後つけてったら、何の迷いも無くホテル街へと消えてった。
ボクは車をUターンさせて、バイトしてたコンビニに行くと、いつも駐車してるはずの槇原店長の車がないのを確認した。
バイトしてる山田くんに、
『今、店長はおる?呼んでくれへん?』
って聞いたら、
『あっ、お疲れ様です一ノ瀬さん!
店長は、あいにく今日は夜からなんです。』
言うとった。
いつの間にかあのコンビニ店長の槇原さんと奥田さんができとったんが分かった決定的瞬間やった。
つまり二股掛けられとった現実を知ったボクは、嫉妬と憎悪の渦にのみ込まれとった。

