-これが、私たちの生きる世界
満月が雲に隠れた闇の中、ざわっと木々が揺れた。
「ひっ、お、お前たち、何者だっ!俺を誰だと思ってっ・・・!?」
人の弱みにつけ込んで
悪事を働く悪しき者・・・
「闇に舞う悪の花
真っ赤な花に染めましょう」
男は情けなく尻もちをつくと、そのまま後ずさりした。男の顔は心なしか青ざめて見えた。
「ま、まさかっ!?まって、待ってくれ!この通りだ。許してっ!」
何かに気づき懸命に命乞いを始めた男に、躊躇なく苦無が振り下ろされた。
「心のない謝罪なんて、聞く気はねぇよ。」
もう一度木々が揺れると、すでに人の気配はなく、男もこと切れていた。
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