先輩は自分のネクタイをはずしはじめる。
「せっせんぱい!?」
「んー?」
するとその手が私の襟を上げる。
反射的に両手で胸を隠す。
「せんぱい!?」
「じっとしてなさいよ。」
リボンをほどいて、取ろうとする。
慌てて暴れだす私に、じっとしろって。という。
いや、びっくりするよ。
なにも言われずにこんなことされたら、誰でも慌てるって!!
「このリボンはお預かりしときます。」
パタンとたたんで、自分のズボンのポケットに入れた。
え?と困ってる私に、先輩は自分のネクタイを私につけ始める。
顔がぐっと近づいて、息を止めちゃう。
今、きっと目があったら照れてしまうから下を向いた。
