昇降口をでると校門で、足をくんで手をポケットに突っ込んで猫背になって下を向いてる先輩がいた。
やっぱり、一緒に帰るんだ。
「あ、あの、先輩?」
「ん、帰ろっか。」
と言い、また私の手をとる。
あからさまにビクってした私に先輩はまた笑う。
「暑いね」
「暑いですよね、暑いだけで疲れちゃいます。」
あー、と言った先輩が
「機嫌は?なおったの??」
「なんで、関係ないじゃないですか。知らないですもん。」
あのときの先輩をまた思い出しちゃった私の目から涙がこぼれた。
「俺なんかした?」
「うぅっ……」
ぐずぐず言ってる私になだめる先輩。
「早く言いなさいよ、3、2、1。」
「あの、綺麗なお姉さんは誰なんですか?」
「はい?」
絶対、とぼけると思ったもん。
