「あの、先輩!遅れてすいません。」
「いいよ、じゃあ帰ろっか」
私の手をとって、堂々と歩き始める。
「!!せせせせせせせせせ先輩!!」
「ん?なに?」
慌ててる私をよそに、余裕な先輩がちょっと悔しい。
は、ははは初めてなんですが……!!?
「ちょちょちょ、手ええ!!!」
「手がなによ(笑)」
「ん?離したい?」
先輩の口角がニヤリと上がる。
「い、いや、繋ぎたいですけど…」
じゃあいいじゃん。と言う先輩。
なんで私、付き合ってもいないのに先輩とてなんか繋いじゃってるんだろう…
「そっそいうえば!先輩も歩きなんですね!!」
心臓は激しく音をたてて、先輩に聞こえてるんじゃないか心配になったからとっさに喋った。
「そうだよ。」
腕で口を押さえて、笑いをこらえながら先輩は言った。
きっと私がドキドキしていることも、全て見透かされてるんだろうな……
