「ねえねえ」と、先輩が私のことを呼んだ





「一緒に帰ろうか」






さらっと言われた。


「へっ」


あたふたしてると、
ん?帰りたくないの?と言われたから



「か、帰りたいです」



お見通しかのように笑われた。




なんで私を誘ってくれるんだろう。

なんで私なんだろう。




放課が終わり、授業中もそんなことばかり考えていた。



どんな話をすればいいんだろう、どんな声のトーンでしゃべればいいんだ?と自問自答を繰り返していた。




まるで好きな人とデートをする気分だった。




先輩のこと好きなのかなって思い始めた。