イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で



まさか…




振り向いて、数メートル先に映った光景に目を疑った。

荒い息をした晴友くんが、わたしたちを見るなり向かって来てくれたから…!




「晴友っ、助けてっ!」


「晴友くんっ…!」




わたしとカンナさんが一緒に叫んだ。



もう、これで大丈夫…!

晴友くんなら、この男たちにも負けない…!



安堵感に包まれる。

けど同時に、失望感にも襲われ、気持ちが沈んだ。




だって、


晴友くんは、カンナさんを選んだ。


だから、真っ先に助けるのは、カンナさんにちがいないもの…。




カンナさんと抱きしめあう晴友くんを見たくなくて、きつく目をつぶった。




バシィッ!!




肉が強く叩かれるような音がした。




すると、

次の瞬間、身体が軽くなった。

倒れそうになるのを、がっしりとした何かに支えられる。




なにが…起こったの…?




そっと、目を開けて見上げた。

すると…




「日菜…」




晴友くんの顔が目の前にあった。



晴友くん…?



わたしを助けてくれた…?



どうして…?



カンナさんを見ると、拓弥くんが寄り添っていた。

その後ろでは暁さんが、カンナさんを捕まえていた男を地面に踏んずけ、スマホを奪っていた。

そしてわたしの近くでは、晴友くんの一発だけでのびてしまった男がいた。