イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で


晴友くんは、むすりとした顔で座っている。

疲れているのかな…。

わたしはこのまま帰れるけど、晴友くんは毎日夜のシフトに入っているから、今日もこのあとお仕事だもんね。




「ったく、要領の悪いヤツだな。
おい日菜。つっ立ってねぇでお前も座って待ってろよ」


「あ、はい…」




そっと晴友くんの隣に座るけど…昨日のこともあってドキドキするから、ちょっと間を開けて座った。




時間は6時近くなっていた。

夏も本番を迎える今の季節。

陽射しはまだまだ強くて、街の賑わいも衰えることはない。

同い年くらいにカップルが楽しそうに笑いながら通り過ぎていく。




「…指、平気なのか?」


「え?」




急に話し掛けられてびっくりした。




「…火傷、すこしはよくなったか?」




晴友くん心配してくれてたんだ…。




「う、うん、大丈夫だよ…!
昨日くらいまでヒリヒリしてたんだけど、もうすっかりよくなったよ!」


「ほんとか?」




ぱし、っと手をつかまれた。

そして、そっとわたしの指を撫でた。