イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で


と思ったその時、またスマホが鳴った。

その着信の名前を見た瞬間、わたしは凍ってしまった。




お兄ちゃんからだ…!




凌輔(りょうすけ)お兄ちゃん。

10歳はなれていて、すっごくやさしくて大好きなんだけれど…。



正直…。

…出たくない…。



気づかないふりをして出ないでおこうかな…。

って無視しても、出るまでコールが鳴り続けるのは目に見えているけど…。




「あれ?日菜ちゃん、さっきからスマホ鳴ってない?」




美南ちゃんがふと気づいて気を使ってくれた。

コールが鳴り続けて、みんなにうるさがられても申し訳ない…と、通話ボタンをタップした。




「もしもし…」


『大丈夫か?日菜。しばらく出なかったけれど』


「え、う、うん。
…今、ちょっと先生と大事なお話していて…。大丈夫だよ、もう学校を出たから』




本当のことを言わないわたしに、三人は少し訝しげな顔をした。