やっと解放された…。
ほっとしながら席からはなれると、回りのお客さまも、まだ続いているふたりの大声に迷惑がっているのを、雰囲気で感じる。
テレビを見てわたし目当てに来たって…なんでだろ…。
どうしてわたしなんかをわざわざ見に…?
とりあえず…コーヒーを出さなきゃ。
とカウンターに戻ると。
「おい、日菜」
怒ったようなぶっきらぼうな声に呼ばれた。
「わっ…晴友くん…びっくりした、いたんだ」
「さっきからいたよ。おまえが気づいてなかっただけだ」
「……」
「あの客大丈夫か?」
「え、うん、うん大丈夫だよ」
そう言いながらも、コーヒーを用意する手は緊張したせいか、あの人たちのわたしに対する関心が怖いせいか…震えてしまう。
カシャンッ。
急に横から手が伸びて、コーヒーソーサーを乱暴に奪われた。



