「こらこら、里桜奈。
 お辞儀じゃなくて握手でしょう」


そう言って紗雪は私を手を掴み取ると伊澄さんの差し出した手にガシっと重ねる。
伊澄さんの指先が私の指を握りしめた時、また一つ心の中が暖かくなった。



スタジオで練習する際のバンド仲間。
学校の軽音同好会で演奏するための演奏仲間。


ゆっくりと広がっていく人と人の繋がりに心が躍った九月。


私も、もっと練習してギターが上手くなりたいなーって心から思った。