「遅くなって悪い。 紗雪お前さー俺に全部持たせるなよ」 「ってジャンケンに負けた空音が悪い。 さっ、今日も張り切って練習するよー」 紗雪はそうやって言葉を切り返すと、 祐未は気の毒そうに朝日奈さんを見る。 「私がお借りするベース持ちます」 そう言って朝日奈さんの手からベースケースを持つと、 三人で紗雪を追いかけるようにスタジオに入った。 こうやって、私の夏休みは輝きの時間と共に流れていった。