一斉に演奏にあわせて踊り始めるファンたち。

両手をフリフリ。
腕をガンガン。

上に上げたり下に下ろしたり、
胸元で手をひらひらさせたり。

周囲をキョロキョロしながらなんとなくついて行くのが精一杯だった……時間。


Ansyalの音は優しく激しく私の心を刺激してくる。



「君」が……



君がいるから……ちゃんと私、此処に居られるんだよ。



胸が熱くなった空間。


踊って、楽しんで十夜さんに煽られるままに暴れて
いい意味で……真っ白になれた夜。


優しい夜はゆっくりと流れていった。


心を暖かく包み込んで。
凍りついた氷をもっと溶かしていくように。