車は静かに動き出して20分ほど街の中を走ると、 目的地周辺にたどり着いたのか静かに停車した。 「里桜奈ちゃんと楓我の買い物には後で付き合うから、 先に私の買い物からでもいいかな?」 車を降りた裕先生の声に小さく頷くと、 また怖い外の世界に出る。 ……外の世界が……こんなにも怖くなるなんて思いをしなかった。 色づいた世界は優しいけどとても怖くて、 戸惑う心と恐怖心に振り回されながらゆっくりと流れていく。