目を開けるとそこは何処かの天井。
モノクロで世界に取り残された感覚はさらに深まって、
また願いが適わなかった事に絶望した。
……なんで……まだ生きてるんだろう。
あの光が私を消してくれるってあの時間は思えたのに……。
私はただ、この世界から消えたいだけだったのに。
ゆっくりと体を起こそうとした時、指先に触れた布の感触。
包帯が腕と首筋に巻かれていた。
周囲を見渡して今、自分がいる場所を確認したとき、
此処が病院なのだと認識した。
死ねなかった命。
助けられた命とは到底思えなかった。
死ねなかった命。
死ぬことすら許されなかった命。
あの時間が、この先もまだ続くことに肩を落とした。
窓際の部屋。
窓から見る外の景色も全てモノクロで、
やっぱり……何もかもから拒絶されてるみたいで悲しくなった。
どうやったら、消えれる?
思考回路はそればかり。
病院の屋上から飛び降りたら?
……神様……もし居たら願いかなえてよ。
私の命、もういらないから。
ここで生きたくても生きられなくて困ってる人と全部交換してよ。
その人にあげるから……。
声に出すことのない声は心の中の叫びへと変わり涙が頬を伝う。
生きていたくないのに頬から流れる涙は暖かい。
その暖かさがまだ自分の望みが適うことがないのだと認識させて、
余計に孤独にさせた。
「目が覚めたの?」
微かに聞こえる誰かの声。
音はくもってわかりづらかったけど、
誰かが呼んでるらしいことだけはわかった。
家族以外で久しぶりに話しかけてくれた声。
久しぶりの感覚。
失ったと思ってた感覚が微かに目覚める。